相続と民泊1「相続と民泊、どういう関係があるか」児山

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合法民泊のコンサルタントをしている児山です。「民泊と相続、何の関係があるの?」と言う方がほとんどですが、実は大いに関係があると思っています。一体どこが関係しているのでしょうか。

■相続財産で大きな位置を占める不動産

相続は、亡くなった方の財産を親族などが引き継ぐことですが、引き継がれる財産の中で、一番価値の割合の高いものが不動産であることには、異論がありません。ここしばらく漸減傾向にあると言っても、相続財産の中で土地と家屋を合わせた不動産は4割以上を占めています(下記グラフ参照)。

相続財産の構成比の推移

相続財産の構成比の推移(国税庁作成)

その不動産の使い方はと言えば、個人の方であれば、自分で住むか、他人に貸して住んでもらうかがほとんどでした。ただし、日本では2013年10月の時点で13.5%820万戸の空き家があり、その割合は増える傾向にあります。少子化で需要が少なくなっているにもかかわらず、新築信仰が強くドンドン新築住宅を作り続けるためです。

そうなると、空き家になった不動産は固定資産税がかかるだけで所有するメリットがなく「負動産」として兄弟間で押しつけ合うことも珍しくありません。田舎の要らない不動産だけ相続放棄したいと言っても、相続財産全体を放棄するのでなければ放棄することはできないのです。

したがって、相続の中には、相続した不動産をどう扱うかというテーマが隠れていると言ってよいでしょう。

■弱くなる国内の需要と伸びるインバウンド需要

相続した不動産をどう扱うかと言われても、都心部ならいざ知らず、ちょっと都心を離れると、個人の所有する不動産は、住宅として自分で住むか、他人に貸すか程度の活用法しかありませんでした。そこににわかに現れたのがインバウンドブームです。

訪日する外国人の観光客は、3.11のあった2011年に年間約622万人から、2012年が約836万人、2013年が約1036万人、2014年が約1341万人、2015年が約1974万人、2016年が11月、12月の数値が固まっていない段階で約2404万人と5年間で300%近く増えたことになります(JNTO発表)。

これが一過性の物かと言えば、そうとも言い切れません。デービッド・アトキンソン氏の「新・観光立国論」によれば、世界規模で見た国際観光客数は、1950年に2500万人、1980年に2億7800万人、1995年に5億2800万人、2013年に10億8700万人と尻上がりに増えてきており、国連観光機関の予測によれば、2030年まで毎年3.3%の増加が見込まれるとのことです。

また、人口一人当たりの国際観光客は、世界平均で見ると人口の約26%です。しかし、日本は人口の約19%に過ぎず、気候、自然、文化、食事などの観光資産を考えると、フランスの128%を十分目指せるポテンシャルがあると、アトキンソン氏は話します。現在政府は、その意見を取り入れて、2020年に訪日外国人4000万人、2030年6000万人を目標に掲げて、数々の施策を計画していますが、これもプラス要素と言えるでしょう。

■民泊は新しい不動産活用の道

この新しい流れを背景に、東京、大阪、京都といった大都市を中心に普通の住宅に訪日外国人を泊める、民泊が一気に増えました。2014年末で約7000件だったのが、2015年末で約25000件、2016年末で約42000件といった勢いです。

もっとも、実態が先行してしまい、騒音やゴミの問題が指摘され、政府が急ピッチで法整備を進めている状況です。昨年から東京都の大田区、大阪府、大阪市で国家戦略特区の規定を利用した特区民泊がスタートしていますが、民泊新法と呼ばれていた「住宅宿泊事業法(仮称)」案が来月にも通常国会に提出される見込みです。5月に国会を通り、秋に施行という噂なので、まだまだ時間はかかりますが。

民泊は大都市中心に増加してきましたが、ここに来て地方での古民家活用なども増えつつあります。Youtubeやインスタグラムなどをきっかけに日本人が知らないような地方に外国人観光客が押し寄せる例もありますので、今後要らなくなった地方の空き家を民泊として活用し、収益を得るという道も十分考えられます。

そこで、次回以降、具体的に民泊をするとどうなるのか、どうすれば民泊できるのか、合法に民泊をする方法などをお話させて頂きます。

 

相続は、自分の持つ資産をどう活用していくのが一番メリットが大きいか、整理する良い機会です。相続サポート協会には、様々な分野の専門家がいますので、財産の承継の前後に、どのような資産の設計が良いのかをご相談頂くことができます。

 

民泊コンサルタント 児山秀幸

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