遺言書を書いたほうがいい人 都築
遺言書は書かなくても相続人で話し合ってまとまればそれでいいのですが、
世の中に絶対に遺言書を書いたほうがいいという人がいます。
もっと言うと遺言書を書かないと、相続人が非常に困るし相続争いに発展する可能性が高い人です。
こういう人はきちんと遺言書を書いたほうがいいです。その例を下に乗せます
1.法定相続人以外の者に財産を残したい場合
依頼者(妻)は、主人である長男の所に嫁ぎました。職業は農業です。夫婦の間に子供はいましたが、生まれて直ぐ病死しております。ご主人も15年前に他界しております。ご主人は農家の長男でしたので、両親と同居です。義父はご主人の亡くなる前に他界しており、依頼者は義母と二人暮しで、15年間義母の老後の面倒を見てきました。
このケースの問題点は土地、家の名義が義父のままになっているということです。もし、義父が亡くなったときに長男である依頼者のご主人に相続・名義変更をしていれば依頼者も安心できたでしょう。しかし、今回の義母には遺言書がありませんので、法定相続ということになります。したがって、相続人は、長女・次男の2人になります。もし、依頼者の長男が生きておれば、亡くなったご主人に代わり‘代襲相続’ができるので相続人は3人になるのですが、今回はあてはまりません。
結論は、長女・次男が自分たちから申し出ない限り義母の老後のめんどうをみ家を守ってきた依頼者は相続できないのです。こんなことは義母の本意ではないはずです。だからこそ「遺言書」を遺さなければならないのです。
2.子供がいない場合
これは争いになるケースが多いです。と言うのも多くの場合、両親が亡くなっているので法定相続人は兄弟姉妹そして甥姪になる事が多いからです。
3.財産の種類・量が多い場合
これもトラブルの元になります。生前に財産を整理しておく意味でも遺言書を書いておくべきでしょう。Ex.不動産が多数、証券、預貯金、ゴルフ会員権など財産が分散しているケースです。
4.事業主の方で、特定の人に事業を継承させたい場合
複数の相続人がいる場合、事業は相続人で分割されてしまい、事業を維持、存続することが困難になります。あなたの築いた事業を承継させたいのであれば、遺言書で承継人を指名しておいた方が良いでしょう。
5.相続人間が不和な場合
遺す側(被相続人)が遺言書で決めておいておく方が無難です。
6.相続すべき親族がいない場合
推定相続人がいない場合、最終的には国庫に帰属してしまいます。生前お世話になった人にあげたい、慈善団体に寄付したいとお考えであれば遺言書を遺してください。
7.再婚した夫婦の場合
長男から見て、父親が亡くなると相続人は義母・長男の2人で、法定相続分は2分の1づつになります。長男からすると後からきた義母が配偶者だからといって2分の1もらえることに納得できずもめがちです。それと、お墓の問題。義母が亡くなったとき、同じお墓にいれるのかどうかも遺言しておくほうが良いでしょう。いわゆる連れ子など、親を異にする子供がいる場合ならなおさらお考えになっておいた方が良いでしょう。
8.婚姻届を出していない夫婦の場合
婚姻届けを出していない夫婦、いわゆる‘事実婚’では、法律上、相続権はありません。事情があって婚姻届をだせなかったとしても、お互いの愛に報いる為には遺言書で事実上の配偶者である相手に「贈与」しておくべきでしょう。
9.特定の子供に介護、援助をうけている場合
老後、世話になっている子供に少しでも多く相続させたいと思うことは自然なことで、実質的な平等だと思います。しかし、遺言がなければ、遺産は子供たちにそれこそ‘平等’に分割されてしまいます。確かに、寄与分というものが認められますが、実際の介護に費やす時間・費用・労力と比べると十分ではありません。ですから、このような場合は、やはり、遺言書によつて実質的な平等をはかるべきではないでしょうか。
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