相続時の広大地評価が改正になります 残り3か月です

平成29年度税制改正大綱で、相続税に大きな影響をもたらしたのが、『広大地評価』についての下記の項目でした。

【広大地の評価について、現行の面積に比例的に減額する評価方法から、各土地の個性に応じて形状・面積に基づき評価する方法に見直すとともに適用要件を明確化する。】

そもそも【広大地】とは・・・とても広い土地のことです

どれくらい広くて大きいのかというと、地域にもよりますが一般的には、500㎡以上の土地が該当します。

条件としては

〇500㎡(三大都市圏以外は1000㎡等)以上

〇3階以上のマンション適地ではないこと(原則として容積率が300%未満)

〇戸建分譲開発するときに私道等が必要なこと

〇大規模工場用地に該当しないこと

となります。

上記の条件に当てはまる通常の住宅地では東京近郊であれば100㎡(約30坪)くらいの土地が、戸建として持つには最有効の活用と言えます。(もちろん場所によって違います)

(マンションや工場が立つところは、100㎡の戸建てが適正とは言えませんので広大地は使えないという事です。)

例えば、周りに100㎡の戸建てがたくさんあるところの近くに、500㎡以上の広大地があった場合の最有効の活用方法は、もしかすると下記のように考えることができますかもしれません。

 

そうすると道路部分は潰れ地になるのでその分を土地の評価上、考慮するために、広大地補正率を乗じることによって、評価してきました。

 

ただしこの広大地評価で最も悩むのが下記のように奥行きがそれほど深くない場合

です。同じ500㎡でも、路地状部分を使った方が最有効と考えると潰れ地が出てきません

 

広大地評価を適用できるかどうかの判断が非常に難しいという問題がありました。

この問題点について、税制改正大綱で見直しが記載されました。

平成30年1月1日以降の相続・贈与からは、従来の【広大地評価】が廃止さ

れ新たに【地積規模の大きな宅地の評価】の適用が開始される予定となります。

 

【地積規模の大きな宅地の評価】とは?

各種補正等※を考盧後の土地の評価額×規模格差補正率

※各種補正とは、奥行価格補正、側方加算や不整形地補正など

各種補正を適用した土地の評価に規模格差補正率を乗じて評価することになります。

 

規模格差補正率とは地域・広さによって変わってきますのでこちらのブログでは割愛させて頂きますが

大まかにいうと、

 

★整形地の場合評価が大幅に上がる可能性がある

★不整形地の場合は形状によるが現行と変わらないか、形状により上がることもある。

 

今後の実務への影響

規模格差補正は、平成30年1月1日の相続・贈与から運用開始になります。

 最近の税制改正の傾向を鑑みると整形地である広大地については評価額が増加すると考えられます。

したがって、改正後の広大地を相続で次世代に移転するよりも

平成29年中に改正前の広大地補正率による広大地を

相続時精算課税等による贈与で次世代に所有権を移転した方が

有利になるケースもでてくるかと思います。

弊社では、改正後の計算方法が明らかになった場合には、平成29年中に贈与をすべきか、それとも改正後の方が有利になるのか等の試算を承ります。是非お気軽にご相談ください。

今日が2017年平成29年10月1日ですから残り3か月ですが、もし上記に該当しそうな方は相続サポート協会にお問い合わせください。

都築

この記事を書いた専門家について

都築 恒久
都築 恒久不動産
1975年 東京都大田区生まれ。成城大学経済学部卒業。賃貸管理・賃貸・空室対策、相続、売買仲介、底地・借地・土地の有効活用、アパート管理・賃借を得意としている。

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