預けて安心!自筆証書遺言【その4】

遺言書を作成したならばどのような手続きで具体的に保管申請をするのか、ここでは具体的に保管申請の仕方について説明します。

 

 

①保管申請の流れ

1、遺言書を作成する

様式に従ったものであれば、保管制度開始前に作成した遺言書でも保管してもらえます。

※ホチキス止めはせずに封筒も不要です

 

2、保管所(法務局)を決める

「遺言者の住所地」「遺言者の本籍地」「遺言者が所有する不動産の所在地」を管轄する保管所の中から選びます。

 

3、添付書類の用意及び申請書の作成

 

4、保管申請の予約

電話で管轄の遺言書保管所であるかも確認をします。

 

5、保管の申請

持参すものは遺言書、申請書、本籍地記載の住民票写し、本人確認書類、印鑑、手数料1通3,900円です。

 

6、保管証の受領

法務局から発行されます

 

 

②遺言書作成のルール

遺言書保管所で保管してもらうためには民法968条以外にも自筆証書遺言書作成の下記ルールがあります。

 

1、A4サイズの用紙を使用します

2、各ページにページ番号を記載する

3、片面のみに記載

4、数枚にわたるときであっても、とじ合わせをしない

5、遺言書には上5ミリメートル以上、下10ミリメートル以上、

左20ミリメートル以上、右5ミリメートル以上の余白を設ける

6、封をしない

 

 

③保管申請書の記載事項

遺言書を保管してもらうには、保管申請書を提出しなければなりません。記載しなければならない事項は

 

1、遺言書に記載されている作成の年月日

2、遺言者の氏名、出生の年月日、住所及び本籍

3、遺言書に受遺者及び遺言執行者の記載がある時は、その氏名又は名称及び住所

4、その他、法務省令で定める事項

※すでに遺言書保管所で遺言書の保管をしてもらっている場合には、保管証に記載された保管番号も記入します。

 

 

④通知の申出

遺言者の死後に、指定する者に対して法務局から遺言書が保管されていることを通知してもらうことができます。この申出は任意ですが保管された遺言書の存在に誰も気がつかないのでは遺言者の最終の意思を尊重することはできません。

遺言者が指定する者は・遺言者の推定相続人・遺言書に記載された受遺者、遺言執行者等のうちの一人に限られます。

 

 

これまで書いたように自筆証書遺言を法務局(遺言書保管所)に預けるメリットは費用が安いなど手軽に遺言書を書くきっかけになりますが、遺言者の意思を確実に実現するためには一度専門家にチェックしてもらうことをお勧めします。

この記事を書いた専門家について

松岡和也
松岡和也行政書士
1959年神奈川県中郡大磯町生まれ。大学卒業後、岐村コンピューター会計事務所所長代理を経て独立。
遺言書の起案作成、相続財産や相続人の調査、遺産分割協議書の作成など相続に関する業務を行っています

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