預けて安心!自筆証書遺言【その2

【その1】では遺言書保管制度の基本を書きましたが【その2】ではもう少し詳しく細かいことを述べたいと思います

 

  • 保管申請をする法務局

遺言書の保管申請を行う遺言書保管所(法務局)は

  • 遺言者の住所地を管轄する遺言書保管所
  • 遺言者の本籍地を管轄する遺言書保管所
  • 遺言者が所有する不動産の所在地を管轄する遺言書保管所

の中から選択し、その遺言書保管所の遺言書保管官に対して遺言者本人が自ら出向いて保管の申請をしなければいけませんので本人が行かないで代理人に頼むわけにはいきません。

〈注意点〉

遺言者の作成した遺言書が、すでに遺言書保管所に保管されている場合には、その保管されている遺言書保管所に保管の申請をしなければなりません。

法務局に出向く前に、管轄の遺言書保管所であるかどうかを電話で確認して保管申請の日時を予約する必要もあります。

 

  • 提出書類等

1, 遺言書(無封、ホチキス止めしない)

2, 申請書

3, 住民票(本籍地及び戸籍筆頭者の記載入り)又は戸籍謄本及び戸籍の附票

4, 保管申請手数料3,900円

5, 印鑑(シャチハタ不可)

6, 本人確認書類※

 

  • ※本人確認は厳格

遺言書保管所には遺言者自らが出向く必要があり、出頭者が遺言者本人かどうか厳格に調べられます。本人確認は次のいずれのものを提示することになり、できなければ保管の申請は却下されます。

1, 個人番号カード

2, 運転免許証

3, パスポート

4, 在留カード

5, 特別永住者証明書

 

  • 却下事由は八つ

1, 当該申請が遺言者以外の者によるものであるとき、又は申請人が遺言者であることの証明がないとき

2, 当該申請に係る遺言書が、民法968条の自筆証書による遺言書でないとき、又は無封のものでないとき

3, 当該申請が管轄の遺言書保管所の遺言書保管官に対してされたものでないとき

4, 申請書が提出されなかったとき

5, 申請書に添付する書類が足りないとき

6, 保管申請時に、遺言者自らが出頭しないとき

7, 申請書又はその添付書類の記載が当該申請書の添付書類又は当該申請に係る遺言書の記載と抵触するとき

8, 保管に必要な手数料を納付しないとき

 

  • 手続き終了後に交付される保管証

保管証には、「遺言書が保管されている遺言書保管所の名称」「保管番号」が記載されています。保管番号は、再度の遺言書保管申請や遺言書の閲覧申請等の際に使いますので、保管証は交付を受けて保管しておきましょう。また、遺言者の死後に、親族が保管証を見つけることで、遺言書の存在が分かります。

 

  • 遺言書保管所での保管期間

「遺言書原本の場合」

遺言者の死亡の日から50年、また遺言者の生死が明らかではない場合は遺言者の出生の日から120年を経過したのち50年です。

「遺言書保管ファイルの場合」

遺言書をデータ化する方法で管理もされますので遺言書原本よりも長く保管され、遺言者の死亡の日から150年、また遺言者の生死が明らかでない場合は遺言者の出生の日から120年を経過したのち150年も保管されることになります。

この記事を書いた専門家について

松岡和也
松岡和也行政書士
1959年神奈川県中郡大磯町生まれ。大学卒業後、岐村コンピューター会計事務所所長代理を経て独立。
遺言書の起案作成、相続財産や相続人の調査、遺産分割協議書の作成など相続に関する業務を行っています

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