相続は余裕をもった準備を 

新型コロナウィルス感染拡大に思う

日本を含む世界中では今、新型コロナウィルス感染で持ち切りの状態です。不幸にも感染したため、尊い命を不意に落とされた方も多く、改めてお悔やみ申し上げます。
日本でも先日、有名芸能人の方が新型コロナウィルスに感染され、お亡くなりになりました。報道で聞く限り、発症してから亡くなるまで10日足らずのあっと言う間の出来事だったそうです。本人もさぞかし無念だったことでしょうし、まさか自分が急に亡くなるなんて想像すらしていなかったに違いありません。

有名芸能人の方は生涯独身だったそうですが、亡くなった結果、急に相続が発生してしまいました。あらかじめ相続の準備をされていたか、知る由もありませんが、兄弟相続になりそうな案件です。

今日は、いざそんな時になってからでは既に遅い、相続の準備は思い立ったら即始めましょう、というお話です。

遺言は意思能力が無ければ書けません

自分には残す財産は何もない無一文だと言うなら別ですが、少額でも遺産があれば相続問題が発生します。何も準備しなくても問題にならない方も大勢いらっしゃると思いますが、争いを避けるためにもあらかじめ対策を講じておくほうが良いでしょう。相続対策の中でも遺言書の作成は、最も容易な対策の一つだと思います。例えば、自分の相続について次のような事を考えている方は、是非遺言書の作成を考えたらいかがでしょうか。

1.法定相続分とは異なる配分を指定したい
2.事業承継の問題がある
3.法定相続人以外にも財産を配分したい

遺言は、自筆遺言であれば、今日今からすぐにでも書くことができます。様式を満たさない自筆遺言は無効となりますが、満たしさえすれば有効に機能します。

遺言を書くの必要以上に構える必要はありません、何故なら遺言はいつでも撤回して、改めて書き直すことができるからです。だから、今のあなたの思いを書いて残しておけば良いのです。

遺言は、いざ書こうとしてもその時に意思能力が無ければ書くことができません。急に意思能力が無くなることなど無いからと、普段は意識することもないでしょうが、現に事件や事故、病気などで急に意識を失うことは十分にあり得ます。いざそうなった時では既に遅いのです。

認知症も同じです。ゆっくり症状が進んで行くため、ご家族でも意思能力の有無の判断は難しいでしょう。軽度のうちはまだ自分で遺言を作成する能力があるかもしれませんが、後見人等がつくような段階まで進んでしまうと、もはや自分で遺言を作成することは相当に困難な事です。

相続は余裕をもった準備を

相続対策は、生きているうちにしか有効な対策を講じることができません。明日、明日と先延ばししがちですが、是非余裕をもって対策することをお勧めします。
当協会では、毎月都内各所で無料相続相談会を開催しております。(現在はコロナウィルスで休止中)是非、お気軽にご活用ください。

この記事を書いた専門家について

西野史朗
西野史朗社会保険労務士・行政書士
大学卒業後、全国紙新聞社での約30年の勤務を経て、2019年に社労士、行政書士事務所を開設。自損交通事故で重傷を負い、懸命のリハビリでようやく社会復帰した経験があるが、復帰できたのは多くの方に支えられたからこそと感謝している。復帰後は、感謝の気持ちを社会貢献でお返ししたいと考えるようになった。特に障害者サポートに力を入れている。

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