遺言を作ると相続税が安くなる?野上
平成27年7月、政府・与党は、遺言に基づいて遺産を相続した場合に一定額を相続税の基礎控除額に上乗せして控除する「遺言控除」を新設する検討を始めました。控除額は数百万円を軸に検討されています。
現在、相続税の課税対象のうち遺言を残した案件は少なく、相続トラブルが起こったり、不動産処分が進まずに地方の空き家が増加する一因などにもなっています。
「遺言控除」を新設することで、遺言による遺産相続を促し、このような相続をめぐるトラブルを防ぎ、資産の移転が円滑化されることが期待されています。
近年、エンディングノートの流行もあり、多くの専門家が遺言書の作成を勧めています。
その一方で、必要性をそこまで理解していただけていなかったり、つい作成を先延ばしにしてしまったりで、実際に遺言を作成している方の数はまだまだ少ないのが現状です。
この「遺言控除」の創設が、これまで遺言の作成はいらないかな、と思っていた方も、まずは相続税の節税対策としてでも遺言書の作成を検討していただくきっかけになれば良いと思います。
ただし、誤った内容の遺言を残してしまうと、逆にトラブルの種になることもあります。
遺言の作成を検討される際には、必ず相続の専門家にご相談の上、作成を進められることをお勧めいたします。
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