事前準備は大切です!   木村

こんにちは、不動産コンサルタントの木村です。

「ウチは自宅しかないし、そんなに財産も無いから相続対策は関係ありませんよ」と言われる方をしばしば耳にしますが、「相続は関係ない」と言われる多くの方々は、相続税を課税されない範囲の相続財産額の方で、「相続税の対策」と「相続対策」をよく混同するという事は、当サポート協会の福井税理士が、先のブログで前述いたしました(ブログ2017/1/5 相続とは 福井をご参照ください)。

相続税の節税や納税対策は必要ない方でも、人は必ず死を迎え、その際に残された遺族の方は、必ず相続の手続き等諸問題に直面します。相続は一生涯の中でどなたにでも必ず起こりうる、避けては通れないものです。

では、本日はその相続手続きの種類・期日について少し掘り下げてお話させていただきたいと思います。
具体的に相続手続きには、下記の項目があります。

【相続開始から5日以内】
健康保険・厚生年金の資格喪失手続き

【相続開始から7日以内】
死亡届け・火葬許可申請

【相続開始から14日以内】
世帯主の変更手続き、国民健康保険・国民年金の資格喪失手続き、
介護保険の資格喪失手続き、老人医療受給者の資格喪失手続き、
特定疾病医療受給者の返納届、身体障害受給者の死亡届、
児童手当等の受給事由消滅届

【相続開始後もしくは遺言書発見後遅滞なく】
遺言書の検認

【相続開始を知った時から3ヶ月以内】
相続放棄又は限定承認手続き

【相続開始から4ヶ月以内】
所得税準確定申告

【相続開始から10ヶ月以内】
相続税の申告・納税、相続税の延納・物納の申請

【相続開始から2年以内】
埋葬料・埋葬費・葬祭費の申請、死亡一時金

【相続開始から3年以内】
死亡保険金の請求

【相続開始から5年以内】
遺族年金・遺族厚生年金・寡婦年金請求

【相続開始後速やかに】
預貯金名義変更、不動産名義変更、株式名義変更、
自動車所有権名義変更(相続開始後15日以内)、
電話の契約変更・解約、公共料金の名義変更、
クレジットカード解約、パスポート・運転免許証返却等

場合によっては、上記に該当しない項目の方もいるとは思いますが、主だった手続き関係とその期日を列挙させていただきました。相続が発生すると、これらの手続きを各項目ごとに関係諸官庁・役所、金融機関等に必要書類を集めて提出し、手続きを進めていかなければなりません。

こうして見てみると、かなりの手続き作業量があることがお解りだと思います。
ここで問題なのは、大切なご家族が亡くなり悲しみに暮れる中で、これらの手続き関係を期日内に終わらせなくてはいけないのです。
慌ただしく葬儀を行い、初七日・四十九日をすませ、一息着いた頃には、もう相続放棄の期日がやってきます。ここまでに、故人の出生から死亡までの戸籍謄本を全部取得し、誰が相続人なのかを確定させ、且つ相続財産を洗い出した時に、プラスの財産よりマイナスの財産(借金や延滞債務等)のほうが多額な場合は、家庭裁判所に相続放棄の手続きを済ませないといけません。そして、そうこうしているうちに10ヶ月の相続税の申告期日がすぐにやってきます。

ここで、「自宅しかなくて、財産はほとんど無い」と言われていた方で、首都圏に自宅を所有している方々は、また更なる問題が生じます。
自宅は、相続すれば80%は相続財産から減額できるという小規模宅地の特例というものがあり、多くの方がその特例の情報を聞いて、この特例ありきで相続税がかからないと判断していると思います。

ただ、この80%の減額の特例は、「相続申告を期日内にすること」と「誰がどの財産を相続するかという遺産分割協議に合意している」ことが大前提の話で(その他様々な適用要件がありますがここでは割愛致します)、10ヶ月以内に遺産分割協議と相続申告済ませなければ特例を使うことはできません。
そうなった場合、首都圏都市部に自宅を所有している方は、相続財産額が基礎控除の枠を超え、納税義務が生じてしまう場合があります。しかもこれらの期日は待ったなしなのです。

身近なご親族ご家族で相続が起こった場合、不慣れな中でこれだけの手続きボリュームを期日内やっていかなければならないということは、相当な労力がかかります。
税金の事のみならず、誰しもが避けては通れない相続のことを考えれば、付け焼刃と表面的な知識だけでは、期日内に急には対応できないことも多数あるので、対策と事前準備は大切だということを念頭においていただき、ご不明点等は身近な専門家や当協会までご相談いただけますと幸いです。

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