リバースモーゲージローン 朝倉
今月は千鳥町住宅公園で住まい・法律・相続の無料相談会を行いました。前回1月の相談会にお越し頂いたご夫婦が、今月もお越し下さいました。ご両親の老後の住まいと税金についてのご相談で、前回おおまかな財産や相続人の現状を聴き取った上で、相続税の試算結果をご報告させて頂きました。今回はその相談内容の中から「リバースモーゲージローン」の話題があがりましたので、実行した場合の税金面での影響について取り上げてみたいと思います。
まずは、「リバースモーゲージローン」とは、銀行から不動産を担保に入れて老後の生活資金を借り入れ、死亡後に相続人が金銭で返済又は担保不動産を売却して返済する商品です。主に子供がいないご夫婦や、子供たちが既に他所に持ち家をもっており、死亡後にはその不動産が不要となる場合で、老後の資金に不安がある高齢者の方々に需要があるようです。
居住用不動産を譲渡せざるを得ない状況にある場合、その譲渡を生前に行うか、あるいはリバースモーゲージのように死亡後相続人が行うか、更にその相続人が被相続人と同居か別居かに応じて、 それぞれ税金面(相続税・譲渡所得税)の特例措置を受けられるか気をつける必要がありますので、下記の図をご参照下さい。
死亡後に譲渡
(リバースモーゲージ) |
生前に譲渡
|
|||
税目 | 譲渡所得税 | 相続税 | 譲渡所得税 | 相続税 |
同居相続人 | ○居住用3000万所得控除
○居住用軽減税率 |
○不動産評価のため、時価の約7割
○小規模宅地の特例(土地) |
○居住用3000万所得控除
○居住用軽減税率 |
なし |
別居相続人
(昭和56年5月以前築の戸建) |
○空き家3000万所得控除 | ○不動産評価のため、時価の約7割 | ○居住用3000万所得控除
○居住用軽減税率 |
なし |
別居相続人
(昭和56年5月後築の戸建 又はマンション) |
なし |
○不動産評価のため、時価の約7割 | ○居住用3000万所得控除
○居住用軽減税率 |
なし |
上表のとおり、同居相続人がいる場合には、生前に譲渡するよりも死亡後に譲渡した方が相続税の面で有利となります。
しかし、別居相続人の場合には、一概には言えず、個別に比較検討する必要がありますので、ご興味のある方はご相談下さい。
なお、上表中の各特例の適用には、全ての適用要件を満たす必要がありますのでご留意下さい。
この記事を書いた専門家について
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