遺言執行人とは 鈴木
こんにちは。相続サポート協会の税理士 鈴木宏昌です。 相続の争いを防ぐためや自分の意思を相続に反映させるためには遺言が有効です。今回は遺言執行人について解説いたします。
遺言執行人とは
遺言には
・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言
の3種類がありますが、遺言書には遺言執行人を決めることができます。
遺言執行人の役目は、遺言書に記載されたとおりに手続きを進めることです。遺言執行人には誰でもなることができ、相続人でもいいですし、弁護士、税理士、信託銀行などでもなることができます。
実際、信託銀行や弁護士などの専門家が遺言執行人になることはよくあります。信託銀行や弁護士などは遺言書の作成からかかわっていますので、遺言書で遺言執行人を記す際にも、同じ信託銀行や弁護士が名前を記載するのが自然の流れなのです。
次に、遺言執行人が行う具体的な手続きとその流れについて解説いたします。
遺言執行人が行う具体的な手続きとその流れ
遺言執行人は、相続人全員が遺言を受け入れる意思表示をした後、不動産や預貯金、株や債券などの有価証券、車などの財産の名義変更の手続きをします。相続人全員の分名義変更することになります。
財産についての名義変更は別段、遺言執行人でなくてもできそうですが、法定相続人以外の人が相続する「遺贈」というものがあり、法定相続人でない人に遺贈する場合は遺言執行人の存在感が出てきます。
つまり、遺贈の場合、遺言執行人がいれば遺言執行人の実印と印鑑証明だけで手続きができてしまうのです。
ところが遺言執行人がいないと、相続人全員の実印と印鑑証明が必要になり手続きが煩雑になってしまいます。
相続人の全員から実印と印鑑証明をもらうのはとても面倒です。
このように遺言執行人がいれば都合のよいこともあります。
遺言執行人は必ず必要か
遺言執行人を書くことが必ず遺言書では必要かというと、そういうわけでもありません。
とくに故人が密室で書いた自筆証書遺言の場合、遺言執行人が特定されていないケースが多いです。
しかし、遺言書が出てきたとき、相続人がやはり遺言執行人がいたほうがいいと判断すれば、家庭裁判所に申し立てて選ぶことができます。また、遺言書に遺言執行人が書かれていたが、その人がすでに亡くなっているというケースも考えられます。その場合も家庭裁判所に申し立てて、代わりの人を選ぶことができます。
遺言執行者の選任を申し立てることができるのは利害関係者です。たとえば、相続人や遺言者にお金を貸していた人、遺贈を受けた人などです。
遺言執行人に手続きをしてもらった場合、手数料を支払わなければいけません。信託銀行ですと財産の額に応じて0.3~2%<らいです。1億円の財産なら1%の100万円くらいになるようです。
誤解されるのが、それだけ払っているのだから揉めたときも解決してくれるのだろうということです。しかし、揉め事を解決するのは遺言執行人の役割ではありません。信託銀行が遺言執行人になっている場合、遺産の分割で揉めるととたいてい手を引きます。あくまでもスムーズに進む相続しか手伝わないというわけです。
遺言の作成などでお困りの方は一度ご相談ください。
この記事の執筆者
鈴木宏昌
税理士。1981年北海道札幌市生まれ。Big4系税理士法人や都市銀行事業承継部などを経て、2013年に東京都北区にて鈴木宏昌税理士事務所開業、現在は赤羽に事務所を構える。IT業やネット輸出入ビジネス、相続・事業承継などが得意分野。「世界4大会計事務所のクオリティを低コストで」をコンセプトに、税理士業界歴14年のキャリアを活かして、お客様の悩みに真摯に向き合っている。
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