相続放棄を行う可能性がある相続への備え

会社経営者の連帯保証

 事業を営んでいる会社経営者の中には、金融機関から運転資金等の名目で多額の借入を行っている方も多いと思われます。

 そして、多くのケースで、会社が金融機関から多額の借入を行う際に、会社経営者が連帯保証をしているのが実情といえます。

連帯保証債務の相続の怖さ

 ここで、もし会社経営者が亡くなると、相続により、死亡した会社経営者(以下「被相続人」といいます。)が負っていた連帯保証債務を相続人となる配偶者や子(以下総称して「配偶者ら」といいます。)などの法定相続人が法定相続分に応じて引き継ぐことになります。

 ところが、会社にめぼしい資産がなかったり、被相続人の遺産が連帯保証額に満たなかったりする場合には、相続放棄をしなければ、相続人となる配偶者らは、相続により引き継いだ連帯保証債務を履行することができず、自己破産をせざるを得ない事態に陥るおそれがあります。

将来行う可能性のある相続放棄への備え

 そこで、将来発生する相続において、相続人となる配偶者らが多額の連帯保証債務を負うことを回避するために相続放棄を行う可能性がある場合には、被相続人の生前に、相続放棄を行うことが予定されている配偶者らを相手方とする生前贈与や遺贈、死因贈与契約を行ったり、配偶者らを生命保険の受取人に指定したりしておくことで、万一配偶者らが相続放棄を行い相続人でなくなったとしても、一定の財産を配偶者らに残すことが可能となるよう備えることが考えられます。

                                弁護士 服部 毅

 

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