「相続登記モレの不動産にご注意」峯岸
先日、とあるお客さまから、
「相続登記を依頼したい」というお電話をいただきました。
しかしお話を聞いてみると、既に不動産の名義変更手続はご自身で済ませたとのこと。
ワタシが
「えーと、ではどのようなご依頼なのでしょうか???」
と尋ねると、
「いや、電話ではうまく説明できません。資料一式持って行きますので、会ってお話したい」
というわけで、事務所にお越しいただき、お話をお聞きしました。
戸建ての不動産の場合、不動産としては土地と建物があります。つまり戸建て不動産の名義変更をするためには、土地と建物の
双方の名義を変更しなければなりません。
しかし今回のケース、土地の名義も建物の名義も、既に変更されています。登記情報を見てみても、相続人名義に所有者が変更
されています。
「ちゃんと名義変更、完了してますね。となると、今回なぜ、ご依頼くださったのですか?」
「いや、お隣さんから、『お宅、名義変更終わってないんじゃないの?』って言われたんですよ。『いや、そんなことない』って
言ったんですけど…。よくわからないんで、こちらで、ちゃんと終わらせてもらおうと思って」
「お隣さんに言われたんですか?」
「そうです」
「もしや…」
さらに、古い権利証を拝見したりして、状況が飲み込めました。
戸建て不動産の場合、道路の所有権を、近隣の住民の方々と共有していることがよくあります(いわゆる「私道」です)。
今回のケースでは、この私道部分の共有持分の名義変更がぬけてしまっていたのです。
今回は幸いなことに、建物と底地の名義変更手続をしたときの書類がそっくり残っていましたので、それを再度使用して手続を
することができました。
しかし、時間が経ってしまって、書類も残っていない状態で私道持分の登記モレが発覚したりすると、その手続に膨大な時間と
手間が(そして費用も…)かかってしまうことがあり得ます。
「私道部分のためだけに、なんでこんなタイヘンな思いをしなけりゃならないんだ」という気持ちになること請け合いです。
登記モレには、くれぐれもご注意ください。
この記事を書いた専門家について
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