相続税の土地評価と地目
こんにちは。税理士の角田です。相続税の計算をする上で土地の評価はとても重要です。相続税の財産別の構成比を見ると土地の構成比は約40%です。財産のメジャーリーガーである現金預金の構成比約30%と比べても10%近く土地のほうが大きい割合なのです。
このような相続財産の中で重要性の高い土地の評価を間違えるわけにはいきません。
土地評価で一番最初に確認しないといけないのは土地の地目です。今回はこの地目の基本中の基本を確認します。
地目の種類
相続税の土地評価で地目は全部で9個に分けることができます。
財産評価基本通達の第7項にて下記の定めがあります。
(1) 宅地
(2) 田
(3) 畑
(4) 山林
(5) 原野
(6) 牧場
(7) 池沼
(8) 削除
(9) 鉱泉地
(10) 雑種地
あれ?10個と思われた人もいるかもしれませんが、(8)が削除になっています。
もともと「塩田」が含まれていたのですが、現在の日本では実質的に塩田がなくなってしまって削除されたようです。
なので今では9個なのです。相続税の土地評価は、必ず上記9個のいずれかの地目に決定することからスタートします。地目が決まらなければ評価ができないのです。
主な地目の内容
地目の見極めのプロはもちろん税理士!ではありません。実は土地家屋調査士という不動産登記の表題部分(地積や地目が記載されている部分)の専門家が地目のプロなのです。私も悩んだ場合には土地家屋調査士に助言をもらうこともあります。
ここでは、主な地目の基本的な部分を確認していきます。
① 宅地
一番メジャーな宅地という地目。相続税では一番多く目にする地目です。
宅地の定義は、「建物の敷地及びその維持若しくは効用を果すために必要な土地」です。
基本的には建物の敷地そのものが宅地に該当しますが、「及び」以降の「その維持若しくは効用を果すために必要な土地」という部分も重要です。例えば、庭です。こちらは、建物の純然たる敷地には該当しませんが、建物には庭がつきものです。庭のない家には住みたくないという人もいるかもしれません(ちなみに私の家は一軒家ですが、ほとんど庭がないです。悲しいです。)
この庭は宅地に該当するのです。他には駐車場についても建物と隣接していてその維持、効用に必要不可欠であれば宅地に該当します。
② 田、畑
田の定義は、「農耕地で用水を利用して耕作する土地」
畑の定義は、「農耕地で用水を利用しないで耕作する土地」
です。水を使えば田、水がなければ畑です。
田の典型例はお米を作るための田んぼですね。ただお米だけでなくわさびとかの作物も水を使うので田に該当します。
畑は田以外の農耕地と覚えておけばいいと思います。
③ 雑種地
この雑種地が一番難しいです。
雑種地の定義も「以上のいずれにも該当しない土地」です。
宅地や田や畑や牧場などに該当しないすべての土地が雑種地なのです。
ゴルフ場、遊園地、電車の軌道、駐車場、資材置き場、、、、
あげればきりがありません。
この記事の執筆者
角田 壮平
税理士法人トゥモローズ代表税理士
世界四大会計事務所であるEY税理士法人(事業承継部門)、大手相続税專門の税理士法人チェスター専務役員を経て税理士法人トゥモローズを設立。毎年100件を超える相続相談、相続税申告に携わり、お客様に寄り添ったコンサルティングに定評がある。
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