「保険金受取人が相続を放棄したら・・・」新井

最近はあまりないですが、まれに死亡保険金の受取人を「法定相続人」としている契約があります。
この場合、平成6年の最高裁の判決では、『各保険金受取人の有する権利の割合は相続分の割合になる』と判事しています。

さて、法定相続人全員が受取人となる意思を表明すれば問題はありませんが、
一部の法定相続人が相続放棄に加えて保険金請求権の放棄または受取拒絶の意思表示をした場合には、
その保険金請求権はどうなるのでしょうか。
判例として平成26年12月16日の神戸地裁のものがあります。

法定相続人ABCのうちBCは相続放棄をしていて、保険金請求をするつもりもその請求権をAに対して譲渡する
つもりもないと言っていました。
保険会社はAに対して法定相続分である3分の1しか支払わないとしていましたが、Aは保険会社にBCが相続放棄したことに
より保険金請求権は自分に帰属したとして全額の支払を求めて訴訟を起こしました。
しかし神戸地裁はAの申出を棄却しました。

保険金受取人をきちんと指定しておくことでこういった揉め事はなくなると思います。
このケースの場合、Aが保険会社に提出した保険金受取人代表者選任届けにはBCの署名がなく、
日ごろからBCと絶縁関係にあったため事態が悪化したと思います。

法定相続人を受取人にしていなくても、死亡保険金受取人が契約者被保険者より先に亡くなり
保険金受取人を変更していない状況で被保険者が亡くなると受取人は法定相続人になってしまいます。
受取人が亡くなった場合の名義変更も大事な手続きです。

この記事を書いた専門家について

新井 明子
新井 明子保険・FP
兵庫県神戸市出身。
大学卒業後、国内、外資系生保勤務を経て2010年生命保険損害保険の乗合代理店、株式会社ライフ・アテンダントを設立。
個人、法人保険のコンサルティングセールスとして多くの相談業務に携わる。
女性のためのマネーセミナーや確定拠出年金セミナーにも定評がある。
2級ファイナンシャルプランナー、DCプランナー(企業年金総合プランナー)、MDRT終身会員。

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