亡くなった人の事業を引き継いだ場合の青色申告申請の期限

みなさんこんにちは、税理士の角田です。

亡くなった人が個人事業(不動産貸付業を含みます。)をしていた場合、相続人がその事業を引き継ぐときに一定の期日までに税務署に青色申告の申請をしないと税金計算上、損をしてしまうことがよくあります。また、青色申告の申請の期限もケースによって異なります。今回は、ケースごとに青色申告の申請期限を解説していきます。
 

青色申告とは?

 
青色申告とは、事業所得(八百屋などの一般的な個人事業に係る所得)や不動産所得(不動産の貸付に係る所得)がある人が税務署に申請をすることにより下記の税制上の特典を受けられる制度です。

① 青色申告特別控除
 
青色申告特別控除とは、適正な帳簿を備え付けていた場合には、一年につき65万円を所得からマイナスできるお得な制度です。なお、適正な帳簿を備え付けていない場合や不動産所得で事業的規模に至らない規模(概ね5棟10室未満)の場合には65万円ではなく10万円の控除になります。
 

② 青色事業専従者給与
 
所得税では、生計を一にする親族(簡単に言うと財布が同じで一緒に生活をしている夫婦や子供など)に対して給与を支給してもその支払は経費として認められません。
ただし、青色申告の場合には一定の届出をすることにより生計を一にする親族に対する給与も経費に算入することができます。
 

③ 損失の繰越
 
青色申告の場合には、事業で損失が生じたときは、3年間翌年度以降にその損失を繰り越すことができます。
 

相続人における青色申告申請の期限

 
上記1のような有利な制度を亡くなった人から事業を引き継いだ相続人が何もせずに自動で使えるわけではなく、相続人も一定の期日まで届出をしなければなりません。想定できるケースごとに青色申告申請の期限を確認していきましょう。
 
① 亡くなった人が青色申告だった場合
 
ア.相続人が既に事業を営んでいたケース
被相続人の亡くなる以前から相続人が独自に事業を営んでいた場合(独自の事業は青色では無かった場合)には、亡くなった年の3月15日までに青色申請書を提出することにより亡くなった年から相続人において青色申告が可能です。つまり、3月16日以後に亡くなった場合には、相続人は亡くなった年に青色申告をすることはできません。 もちろん、被相続人が亡くなる以前から相続人の独自の事業が青色申告であった場合には、特に申請の必要はなく被相続人から引き継いだ事業も青色申告とすることができます。
 
イ.相続人が事業を営んでいなかったケース
相続人が事業を営んでいなく亡くなった人の事業を新たに引き継いだ場合には、相続人の青色申告申請書の申請期限は亡くなった日により次のようになります。
□ 1/1~8/31に亡くなった場合  → 亡くなった日から4ヶ月以内
□ 9/1~10/31に亡くなった場合 → 亡くなった日の属する年の12/31
□ 11/1~12/31に亡くなった場合 → 亡くなった日の属する年の翌年2/15
 

② 亡くなった人が青色申告ではなかった場合
 
ア. 相続人が既に事業を営んでいたケース
上記①アと同様の取り扱いになります。
 
イ. 相続人が事業を営んでいなかったケース
亡くなった日から2ヶ月以内に申請書を提出することにより亡くなった日の属する年から青色申告とすることができます。ただし、亡くなった日が1月1日から1月15日の場合には、その年の3月15日が提出期限となります。

税理士 角田壮平

この記事を書いた専門家について

相続サポート協会
相続サポート協会
私たちのモットーは、「お客様の円満相続するために最適な相続・事業承継方法をご提案し、それを実行する事でお客様に喜んでもらうこと。専門分野の知識はもちろん、高い倫理観と人格を備えたNPO法人相続アドバイザー協議会の会員が中心です。

相続相談会について

各分野のスペシャリストによる無料の相続相談会を、東京都及び東京近郊にて毎月開催しています。住宅ローン減税・相続税対策・お得な贈与の使い方などお気軽になんでもご相談ください。