遺言の種類〜公正証書遺言と秘密証書遺言 鈴木

こんにちは。相続サポート協会の税理士 鈴木宏昌です。 相続の争いを防ぐためや自分の意思を相続に反映させるためには遺言が有効です。今回は遺言の種類のうち公正証書遺言と秘密証書遺言について解説いたします。

公正証書遺言

遺言には

・自筆証書遺言
・公正証書遺言
・秘密証書遺言
の3種類があります。

自筆証書遺言は自分で記載するため、印鑑が押印されていなかったりとか、財産を特定できなかったりなど法的に不備があることがありますし、一般的には密室で作成されるので本当にその人の意思どおりに書かれているかを確認する方法がありません。

「公正証書遺言」であれば法的な条件をきちんと備え、なおかつ第三者が立ち会って作成するので確実な形で遺言を残すことができます。

公正証書遺言は、公証役場に出向き、公証人が立ち会う中で話をして遺言書を作ってもらいます。

そして、作成した遺言書の原本は公正役場で保管することになります。自筆証書遺言だと自宅や金庫などでの保管となるため、ここが自筆証書遺言との大きな違いです。

ちなみに、公証役場によると、この原本に使われる和紙は100年もつ頑丈なものなのだそうです。

公正証書遺言は原本の他、コピーを2部作成します。そして正本、謄本というものを本人がもらうことになっています。

公証役場というのは法務局関連の事務所のことです。公証役場を運営しているのは法務局のOBの方たちです。たとえば東京23区であれば各区に1か所ずつあります。 遺言書の作成の他、お金の貸し借りの契約書の作成なども行っています。

遺言の証人は2人必要です。証人は公証役場の事務員になってもらってもいいですし、遺言を残す人の親戚もしくは付き合いのある税理士や弁護士でも大丈夫です。ただし、子供や配偶者といった、遺言を残す人が亡 くなったときに第1順位で相続人となる推定相続人は公証人になることは できませんのでご注意ください。当協会でも遺言の証人のサポートを行っておりますので、相談フォームよりお気軽にご相談ください。

公正証書遺言は公証役場で作成するわけですが、その場で遺言の中身を一から話して作ってもらうわけではありません。それだと時間がかかりすぎます。

その前に税理士・弁護士、信託銀行の側で遺言書の下書きをしておき、それを公証人に渡してワ ープロで原稿を打ち出してもらいます。

それを返してもらって、間違いやモレがないかをチェックして、再び公証役場で公証人が読み上げて、それで いいなら署名、捺印をして完了となります。

公正証書遺言の作成料は、遺産の額とか遺言の行数などで違ってきます が、およそ1億円くらいの財産なら8万~9万円ほど、3億円くらいの財産で14~15万円ほどです。 法的に間違いがないという点ではこの公正証書遺言は自筆証書遺言に確実に勝りますので、自筆証書が見つからないリスクなどを考えると公正証書遺言により相続させる財産を明記しておくことをおすすめいたします。

ただ、すべてワープロ打ちの遺言書になるので、どうしても味気ないものになります。もともと配偶者や子供たちに心をこめて財産を残 そうと思って遺言を作成したのに、気持ちのこもっていない平板なものに見えてしまうのが欠点です。

 

 

秘密証書遺言について

 

相続に関しては各家庭で様々な事情があります。農家であれば土地を売却しづらいでしょうし、事業をしている場合、跡を取る人に財産のほとんどを受け継いでもらわないと家業が 続いていきません。

農家や実業家でなくても、一般のサラリーマンでも跡継ぎや自分の世話を見てくれた子供のほうに多くの財産を与えることは少なくありません。同じ子供でも、造言上は相続する財産の多い、少ないがと出て来ることは当然なのです。

その場合、遺言で気持ちを示すことかをおすすめいたします。

たとえば、長男よりも相続する財産が少ない次男に対して、「お前には渡すものは少ないが、家業をつぶすわけにはいかないから長男に協力し てもらえないだろうか」とか、「長男にお母さんを見てもらわなければならないから、お前の分は少なくなってしまったが、お前を愛する気持ちは決して劣っていないよ」と、気持を書き残すと、円満な相続を迎えられる傾向にあります。

遺言は財産の割り振りをするだけでなく、自分が亡くなった後の家族の円満を図るものなのです。

家族への気持ちを一番いい形で残せる遺言書を作成したいものです。

ワープロ打ちである公正証書遺言にも「付言事項」として、財 産の割り振りの背景や子供たちへの思いなどを記すことはできますが、やはりワープロ打ちであるため十分に気持ちが通じない面があります。

だからといって自筆証書遺言では、法的に必要な条件が抜け落ちることもありますし、密室で書くため、それが真に本人の意思なのか確認するすべがありません。自筆証書遺言がひょっこり 出てきたとき、悪意のある人がそれを握りつぶしてしまうことも可能なのです。

そういうときに使えるのが「秘密証書遺言」という遺言です。

これは自筆証書遺言と公正証書遺言のいいところをもらった遺言といえます。

本人がすべてを自筆で書いてもかまいませんし、子供や配偶者に対する 気持ちのところだけを自筆で書いて、具体的な財産の分け方のところは行政書士や弁護士がワープロ打ちして作成するのでもかまいません。

いずれも書かれたものは行政書士や弁護士が法的に有効かどうかを確認します。

そして、封筒に入れ密封し、公証役場に行き、「この中に私の遺言書が入 っています。遺言書は私が口述し、行政書士(弁護士)さんに書いてもら いました」とか「遺言書は自分で書きました」と、証人2人の前で述べま す。それで手続きは終了です。手数料は1万円ちょっとです。

秘密証書遺言は抄本も謄本もありませんから、原本が焼けてなくなってしまうリスクもあるため、銀行の貸金庫などに保管しておくことをおすすめします。

お困りの方は一度ご相談ください。

 

この記事の執筆者

鈴木宏昌 鈴木宏昌

税理士。1981年北海道札幌市生まれ。Big4系税理士法人や都市銀行事業承継部などを経て、2013年に東京都北区にて鈴木宏昌税理士事務所開業、現在は赤羽に事務所を構える。IT業やネット輸出入ビジネス、相続・事業承継などが得意分野。「世界4大会計事務所のクオリティを低コストで」をコンセプトに、税理士業界歴14年のキャリアを活かして、お客様の悩みに真摯に向き合っている。
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