独身者の相続問題

 最近は、独身者からの遺言作成の相談や、独身であったおじ・おばの遺産に係る相続税についての相談等、独身者絡みの相続問題が増えてきておりますので、ここで独身者特有の問題点を整理したいと思います。

法定相続人

はじめに、民法上法定相続人の範囲は以下のとおり定められております。

配偶者は、常に相続人となり、配偶者以外の人は、次の順序で配偶者と一緒に相続人となります。

 第1順位 子 又は子が既に死亡している場合にはその直系卑属(孫やひ孫等)(再代襲あり)

 第2順位 直系尊属(父母や祖父母のうち、最も近親者)

 第3順位 兄弟姉妹 又はその兄弟姉妹が既に死亡している場合にはその子(甥姪)(再代襲なし)

      なお、相続を放棄した人は初めから相続人でなかったものとされます。

 独身者に当てはめてみますと、第1順位者として養子は考えられます。養子がいなければ第2順位の父母や祖父母が相続人となります。第2順位者が既に死亡している場合には、第3順位の兄弟姉妹、さらに兄弟姉妹が既に死亡している場合には、その子(甥姪)までが相続人となる訳です。裏を返しますと、おじ、おば、いとこ、甥姪の子等は相続人となりませんのでご留意下さい。

 もしも民法上の相続人が一人も存在しなく、遺言書も残されていなかった場合には、家庭裁判所を通じて日頃介護や療養のお世話をしていた特別縁故者を探索し、そうした方々も見つからない場合には、遺産は最終的に国庫に帰属します。

相続税の計算

 独身者から相続又は遺贈により財産を取得した場合、養子以外の方は全て2割加算の対象となります。つまり相続税額が通常の1.2倍となります。

お墓の承継

 また独身者が、お墓等を先代から承継した方ですと、その承継者を生前に決めておく事が大切です。こうした祭祀上の財産は、民法上、上記の一般的財産の法定相続人の定めとは別に、「慣習に従って祭祀の主宰者が承継する」と定めております。民法ではこうした血の通った条文があるところが税法の条文とは違い面白いところですが、判然とせず、争いが生じる恐れもありますので、主宰者として先祖代々の家の後継者を生前に決めて、本人及び親戚達の同意を得ておくことは大変大事なところだと思います。

 またこうした判然としない慣習に従う所が、現代社会には不適合な場面も最近では生じているようで、とある3姉妹の長女の方からのご相談をご紹介します。その長女さんが言うには、「私を含め3姉妹とも夫の家に嫁いで苗字が変わった。70歳代の今となって実家のお墓を守るために長女の私が離婚して旧姓に戻りたい、戻さないと実家のお墓に入れない。」と思い込んでおりました。私はお墓や宗派の専門家ではないので実際のところそういう慣習が存在するのかもしれませんが、お墓を守るために離婚するなんてことはご先祖様も子供達も誰も喜ばないでしょうから、よくよくお寺さんや子供たちと相談してお墓の承継問題を解決していきましょうと申し上げました。

まとめ

 独身者の相続問題は今後ますます増えていくと思われますので、そうした方のご意思を汲み取り、遺言の作成や養子縁組等の対策を一緒に考えていきたいと思いますので、毎月開催している相談会をぜひご利用下さい。お待ちしております。

 執筆者:税理士 朝倉 幹宏

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