相続税の申告書作成時の誤りやすい事例集

相続税の申告時の誤りやすい事例集(平成28年分用)

国税庁のホームページには「相続税の誤りやすい事例集」を公表しています。

 

その中に記入事例が14項目掲載されていますが、そのうち4項目が生命保険に関するもの

でした。

それは以下の通りです。

①生命保険とともに払戻しを受ける前納保険料(みなし相続財産)

②保険事故が発生していない生命保険契約(本来の相続財産)

➂保険事故が発生していない生命保険契約(みなし相続財産)

④団体信用生命保険契約により返戻が免除される住宅ローン

 

なんだか項目名だけを見ると難しそうですね。

1項目ずつ見ていきましょう。

 

生命保険とともに払戻しを受ける前納保険料(みなし相続財産)

相続や遺贈によって取得したとみなされる生命保険金などを受け取った場合に、

保険金支払い事由が発生した時期より先の保険料の支払い(前納保険料)があれば

その保険料は払い戻されます。(未経過保険料)

そして申告時には、死亡保険金と未経過の保険料を合計して第9表の「生命保険金などの明細書」に記載します。

「生命保険金などの明細書」に死亡保険金だけを記載して

払い戻された保険料を第11表の「相続税がかかる財産の明細書」に誤って分けて記載してしまうことがあるようです。

 

保険事故が発生していない生命保険契約(本来の相続財産)

例えば、

父を契約者・保険料負担者 保険金受取人

長男を被保険者とした保険契約に加入していた場合、

契約者が亡くなった場合、相続人が保険契約を引き継ぎます。

これは長男でなくても構いません。

その場合の保険契約の評価額は解約返戻金相当額になります。

被相続人の本来の相続財産である第11表の「生命保険の契約に関する権利」として

解約返戻金相当額を記載しなければなりません。

 

保険事故が発生していない生命保険(みなし相続財産)

例えば、

長男が契約者・被保険者である保険契約

実際の保険料負担者が父である場合

父の死亡により保険金の支払いはありません。

この場合、契約者が相続または遺贈により

「生命保険契約の権利」を取得したものとみなされます。(みなし相続財産)

したがって第11表に「生命保険契約に関する権利」として解約返戻金額を記入する

必要があります。

 

団体信用生命保険契約により返戻が免除される住宅ローン

個人が住宅を購入する場合、住宅ローンを組むことが多いと思いますが、

その場合には借り入れをした人の万が一に備えて団体信用生命保険契約に加入するのが一般的です。

万が一の場合には保険会社が借り入れた人に代わって金融機関に借入残高を返済します。

相続の申告の際に間違いやすいのは、団体信用生命保険契約により返済が免除されたのにもかかわらず

住宅ローン残高を債務として第13表に記載してしまうことです。

 

以上を見ると意外と生命保険は分かりづらいのかなと思います。

申告の際は税理士に相談することをおすすめします。

 

ファイナンシャルプランナー

株式会社ライフ・アテンダント   新井明子

 

 

この記事を書いた専門家について

新井 明子
新井 明子保険・FP
兵庫県神戸市出身。
大学卒業後、国内、外資系生保勤務を経て2010年生命保険損害保険の乗合代理店、株式会社ライフ・アテンダントを設立。
個人、法人保険のコンサルティングセールスとして多くの相談業務に携わる。
女性のためのマネーセミナーや確定拠出年金セミナーにも定評がある。
2級ファイナンシャルプランナー、DCプランナー(企業年金総合プランナー)、2019年度MDRT成績資格会員。

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