兄弟姉妹が相続人となる場合について

こんにちは。ファイナンシャル・プランナー(FP)の伊達です。

近年、子どものいない世帯や独身世帯が増えています。平成27年国勢調査の結果によると、未婚の人は2,924万2千人で15歳以上の人の27.3%を占めています。このような状況を考えると、今後は兄弟姉妹が相続人となる場合も増えてくると考えられます。その場合の留意点について示します。

兄弟姉妹の相続順位は第三順位

遺産相続には順位があります。第一順位は子や孫の直系卑属、第二順位は父母や祖父の直系尊属、そして兄弟姉妹は第三順位です。兄弟姉妹が相続人になる場合とは、被相続人に子や孫がおらず、さらに父母や祖父母も既に亡くなっている場合が考えられます。子どものいない世帯が増えている現状では、第三順位にあたる兄弟姉妹が相続になる場合も増えてくると考えられます。

兄弟姉妹には再代襲が認められない

相続が開始した時点で、相続人が既に亡くなっている場合や欠格・廃除により相続権を失っている場合について考えてみます。この場合、その相続人である兄弟姉妹の直系卑属である子(甥、姪)が代襲して相続することになります。

さらに相続人である兄弟姉妹に加えて、その直系卑属である子が既に亡くなっている場合や相続権を失っている場合にはどうなるでしょうか。兄弟姉妹には再代襲が認められていませんので、甥・姪の子には相続権がありません。この点が第一順位である子や孫の場合と異なる点です。

兄弟姉妹には遺留分がない

遺留分とは一言で説明すると、法定相続人が最低限相続できる財産の割合です。

遺留分は配偶者、第一順位である直系卑属、第二順位である直系尊属には決められた割合が認められていますが、兄弟姉妹については認められていません。

例として、被相続人が独身で亡くなった場合に遺言があり「全財産を○○に遺贈する」となっていた場合でも、兄弟姉妹には遺留分がありませんので遺留分の侵害とはなりません。子がいない夫婦で「全財産を夫(妻)に相続する」場合も同様です。

相続税の2割加算の対象となる

被相続人が残した財産が基礎控除額を超える場合には相続税が課されます。被相続人の一親等の血族(代襲相続人となった直系卑属を含む)及び配偶者以外の人である場合には、その人の相続税額にその相続税額の2割に相当する金額が加算されます。

また相続人である兄弟姉妹が既に亡くなっているなどして、その子である甥や姪が相続した場合も同様に2割加算の対象となります。

上記のように兄弟姉妹が相続人となる場合は、子あるいは父母が相続人となる場合と異なる点がいくつかあります。今回はその留意点について紹介しました。

ファイナンシャル・プランナー 伊達寿和

この記事を書いた専門家について

伊達寿和
伊達寿和FP・相続アドバイザー
兵庫県西宮市出身。2017年に事務所を開業し、お客様の家計の安心と充実した暮らしをサポートすべく活躍中。相続に限らず、マネープラン、住宅ローンなどお金に関するさまざまな相談に対応している。
CFP(日本FP協会認定)、2017年日本FP協会「くらしとお金のFP相談室」相談員。

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