0歳の子供が保険料贈与を受けて保険契約ができる?!

贈与契約について

お孫さんに保険料贈与をして、契約者、保険金受取人を孫、被保険者を被相続人にする生命保険契約があります。お孫さんが成人であればともかく0歳児が保険契約をすることはできるのでしょうか?

贈与については、民法549条で「贈与は、当事者の一方がある財産を無償で相手に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生じる」とあります。このように「無償で財産を与える契約」であるため、当事者間の合意が必要になります。「この財産をあげるよ」「はい、受け取りました」という意思表示です。

0歳の孫が、「おじいちゃんありがとう。贈与を受けました。」という意思表示はできないですよね。

 

生命保険料の負担者の判定について

保険料贈与を行なった場合、過去の保険料の支払い資金は贈与を受けた現金を当てていたという事実関係が明らかであれば、保険料の支払い能力のない0歳児であっても贈与は成立し保険契約も問題ありません。

贈与を受けていた現金を保険料に当てていたかどうかは、

①毎年の贈与契約書  ②過去の贈与申告書  ③所得税の確定申告書等での生命保険料控除を受けていたか  ④その他贈与の事実が認定できるものから贈与事実の心証が得られたものは認めるとしています。資金贈与があっただけでは認めないということです。

 

子供は、生命保険契約や贈与契約を締結できるか?

未成年者の法律行為は、親権者または後見人の同意があれば有効です。従って0歳児が受贈者になる贈与契約も、契約者は0歳児となる保険契約も有効に成立します。ただし0歳児が、現金を贈与されたという事実が必要です。

 

契約者と保険料負担者

よく問題になるのは、契約者≠保険料負担者の場合です。贈与契約があっても保険料を父親(祖父等)が支払っている場合は父親(祖父等)が保険料負担者になります。

保険料の支払いを口座振替にしていて、預金口座名義人以外が入出金をした場合は入出金をしたものが保険料負担者になります。贈与契約する場合は、口座は日常使っている口座にするのが望ましいですが、保険料贈与の場合は専用の口座にしておいた方がわかりやすいと思います。

 

最後に

いぞれにせよ贈与契約書があり、保険料がその贈与を受けた現金から支払われていれば、0歳児も契約者になります。

祖父や祖母からの贈与であれば1世代飛び越しての財産移転になり相続税対策になります。契約者、保険金受取人が孫、被保険者が祖父(祖母)であれば、受け取る保険金は、一時所得になり相続財産にはありません。健康でなければ加入できない保険が多い為、早くからの贈与や保険契約が望ましいですね。

 

株式会社ライフ・アテンダント ファイナンシャルプランナー 新井明子

 

 

この記事を書いた専門家について

新井 明子
新井 明子保険・FP
兵庫県神戸市出身。
大学卒業後、国内、外資系生保勤務を経て2010年生命保険損害保険の乗合代理店、株式会社ライフ・アテンダントを設立。
個人、法人保険のコンサルティングセールスとして多くの相談業務に携わる。
女性のためのマネーセミナーや確定拠出年金セミナーにも定評がある。
2級ファイナンシャルプランナー、DCプランナー(企業年金総合プランナー)、MDRT終身会員。

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