「遺言により保険金の受取人は変えられる?」新井

自筆遺言書

夫=契約者、被保険者

妻=死亡保険金受取人

である保険契約で、夫の死後この保険契約の受取人を第三者とする遺言が出てきた場合、妻は保険金を受け取る権利はあるのでしょうか?

保険法第44条第1項には、「保険金受取人の変更は、遺言によってもすることができる」と定められています。

しかし同時に

「遺言による保険金受取人の変更はその遺言が効力を生じた後、保険契約者の相続人がその旨を保険者に通知しなければこれをもって保険者に対抗することができない」

と定めてあり、保険会社としては保険証券上の受取人からの保険金請求により保険金を支払えば、債権者としての責任は果たされることになります。

したがって妻には保険金を受け取る権利はありませんが、受取人である第三者にも保険会社に通知の手続きを行わなければ支払を受けることはできません。

レアなケースではありますが、現在ほとんどの保険会社が保険金の受取を親族に限っているため今後こういったケースはでてくるかもしれません。

 

【執筆者】
相続サポート協会
ファイナンシャルプランナー 新井明子

この記事を書いた専門家について

新井 明子
新井 明子保険・FP
兵庫県神戸市出身。
大学卒業後、国内、外資系生保勤務を経て2010年生命保険損害保険の乗合代理店、株式会社ライフ・アテンダントを設立。
個人、法人保険のコンサルティングセールスとして多くの相談業務に携わる。
女性のためのマネーセミナーや確定拠出年金セミナーにも定評がある。
2級ファイナンシャルプランナー、DCプランナー(企業年金総合プランナー)、MDRT終身会員。

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