「借金をしても相続税は減りません!」野上
「相続対策のために借金をする」ということを言う方がいます。しかし、これは全くの誤りです。
借金をしても相続税は安くなりません。借金をするということは、現金という資産が手に入り、一方で借入金という負債も負うことになるため、この時点ではプラスマイナスゼロで何の対策にもなっていません。
では、なぜ、相続対策のために「借金をしよう」と言われるのでしょうか?
ポイントは「その借り入れたお金をどう使うか」にあります。
良く行われる対策の方法として「借金をして不動産を購入する」という方法があります。この場合の節税のカギは、”借金をすること”ではなく、”現金を不動産に換えたこと”にあります。
相続税の計算上、財産評価基本通達という決まりにより、各財産の評価の方法が定められています。この通達に基づいた評価額において、いわゆる「時価」と「相続税評価」に乖離が生ずる資産があります。
不動産はその典型的なもので、土地は「路線価」により評価されますが、路線価は時価の8割ほどに設定されています。また、建物は「固定資産税評価」により評価されますが、新築した建物の固定資産税評価は建築費用の半額ほどとなっていることが多いようです。
そのため、手元にある現金という資産を不動産という資産に組み替えることにより、評価額を下げることが出来るのです。
この場合、当然、手元に現金があればわざわざ借り入れをする必要はありません。誤った認識で対策を進め、しなくても良い借金を抱えてしまった、ということが無いようにご注意ください。
【執筆者】
相続サポート協会
税理士 野上浩二郎
この記事を書いた専門家について
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