家族収入保障保険の保険金を受け取った場合の税務について

家族収入保険とは?

保険会社によって商品名は違いますが、育ち盛りのお子さんがいる家庭では家族収入保障保険にご加入の方も多いのではないでしょうか?

この保険は、被保険者が亡くなった場合に被保険者に代わって保険会社がお給与のように毎月保険金をお支払いする保険です。

必要保険金を算出する際に、毎月の支出額から国から支払われる遺族年金額(÷12か月)を差し引くと毎月補うべき保険金額がわかります。一時金で何千万という保険金よりわかりやすいですし、なにより子どもは成長しますから必要な保障は毎年減少します。無駄がない保険です。

最近は死亡、高度障害だけでなく、要介護〇からとか障害〇級からでも支払われる保険も発売されています。

 

収入保障保険を受け取った場合の税金は?

保険金を受け取った場合の課税ですが、相続税と同じように契約形態により課税方法が違います。

収入保障保険は、年金受取が基本ですが一時金で受け取ることも可能です。年金で受け取った場合は年金額×(契約年数ー経過年数)ですが、これを一時金で受けっとった場合は保険会社により係数が違いますが金額が少なくなります。

一時金で受け取った時の課税は?

①契約者:夫 被保険者:夫 保険金受取人:妻 の場合は、相続税

②契約者:夫 被保険者:妻 保険金受取人:夫 の場合は、一時所得

③契約者:夫 被保険者:妻 保険金受取人:子 の場合は、贈与税

年金で受け取った場合の課税は?

年金で受け取った場合は、上記いずれの場合も所得税(雑所得)になります。

①の形態では、被保険者の死亡時に課税対象になった一時金相当額から増えた分に対して雑所得が課税されます。雑所得の金額は、毎年定額ではなく、毎年増えていくイメージです。

過去に相続税と所得税の二重課税が指摘されたこともあり、相続税法24条が改正されて2011年以降は複雑な計算をするようになりました。各社保険会社では試算ツールを用意していますので、問い合わせてみて下さい。

②の形態の場合は、死亡時には課税されずに年金受取時に毎年雑所得となります。個人年金保険で年金を受け取る際に計算する方法と同じ計算になります。毎年定額で年金を受け取る都度、雑所得として他の所得と合算し課税されます。

③の形態の場合は贈与税の形態です。①の相続形態と同じ考え方になります。被保険者の死亡時に一時金相当額が贈与税の対象になるため、その後の年金受取時には、課税対象になった一時金相当額から増えた分に対して雑所得が課税されます。年金支払時に一時金相当額が贈与の対象になります。毎年年金を受け取る都度、年金額が贈与税の対象になるわけではありません。

 

一時金、年金どちらで受け取るのがいい?

年金形態で受け取る場合は、遺族にとって生活設計がしやすいというメリットがありますが、2年目以降雑所得になり、住民税や健康保険料に影響します。

一時金で受け取った場合は、相続税が課税される場合、生命保険の非課税枠を利用できるため、相続財産を圧縮できるため相続税の支払には有利になります。

雑所得が増えることにより影響があるものは

・国民健康保険料

・遺族年金(収入制限年収850万円)

・児童扶養手当(所得制限あり)

以上から総合的に考えて受け取ることをおすすめします。

ファイナンシャルプランナー 株式会社ライフ・アテンダント 新井明子

 

この記事を書いた専門家について

新井 明子
新井 明子保険・FP
兵庫県神戸市出身。
大学卒業後、国内、外資系生保勤務を経て2010年生命保険損害保険の乗合代理店、株式会社ライフ・アテンダントを設立。
個人、法人保険のコンサルティングセールスとして多くの相談業務に携わる。
女性のためのマネーセミナーや確定拠出年金セミナーにも定評がある。
2級ファイナンシャルプランナー、DCプランナー(企業年金総合プランナー)、MDRT終身会員。

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