相続税、どのくらいの人が払っているの?
令和元年中に相続が発生した人の課税状況
国税庁が令和元年中に相続が開始した被相続人から、相続、遺贈または相続時精算課税に係る贈与により財産を取得した人について、令和2年10月31日までの申告による事績に基づいて相続税の課税状況を公表しました。
課税対象になった被相続人は11万5,267人、その法定相続人は31万5,575人で、納付税額は1兆9754憶400万円でした。取得財産価額(課税価格)の合計は15兆7,843憶4,700万円でした。
被相続人一人あたりの納付税額は約1,714万円で前年より98万円減少しましたが、かなりの税額です。
課税価格階級別にみると、5千万円超~1億円以下の財産を遺した被相続人が5万8,572人で最も多く、10億円超の財産を遺した人も810人いて、更に100憶超も17人いました。
以下相続財産の内訳を見てみましょう。
相続財産の内訳
取得財産価格別の財産を見てみましょう。
土地が全体の36.5%を占めています。5兆7,609憶7,900万円。この中でも宅地が4兆3,992憶3,100万円と4分の3を占めています。
続く現金・預貯金等も5兆6,433憶6,200万円と土地とほぼ同割合となっています。また特定同族会社以外の株式および出資が1兆362憶1,800万円、特定同族会社の株式および出資が6,655憶9,300万円といった有価証券が多くなっています。
債務については、1兆1,240憶2,300万円で、被相続人一人当たりは1,091万円でした。
生命保険金・退職手当金
さて生命保険金はと言いますと、価格は6,661憶3,000万円で、その被相続人は34,126人であったため一人あたりの保険金額は約1,952万円となっています。
また生命保険金と別枠で同じように「相続人退職金×500万円」が非課税になる退職手当金は、1,891憶4,300万円で、その被相続人は4,814人であることから、一人あたりの金額は約3,929万円となり生命保険金より高くなっています。
企業の役員の死亡退職金は、最終報酬月額×在職年数×係数で計算されることが多いため、企業のオーナーや役員などは多額の退職金を受け取っていると考えられます。
相続・事業承継はいつ起こるかわかりませんので、資金の準備や退職慰労金規定などの準備はあらかじめしておく必要があります。
ファイナンシャルプランナー 株式会社ライフ・アテンダント 新井明子
この記事を書いた専門家について
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兵庫県神戸市出身。
大学卒業後、国内、外資系生保勤務を経て2010年生命保険損害保険の乗合代理店、株式会社ライフ・アテンダントを設立。
個人、法人保険のコンサルティングセールスとして多くの相談業務に携わる。
女性のためのマネーセミナーや確定拠出年金セミナーにも定評がある。
2級ファイナンシャルプランナー、DCプランナー(企業年金総合プランナー)、MDRT終身会員。
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