「なぜ遺言が必要か?」服部

なぜ遺言を残しておくことが必要なのでしょうか?

「資産を多く持っているわけでもないし、家族の仲も良いから、何も遺言なんて残しておく必要はない」と考えている方もおられるかもしれません。
しかし、実際には、遺産がそれほど多額に上らなくても、遺産の分け方を巡って相続人の間で紛争になることは少なくありません。特に遺産の中に不動産が含まれる場合、不動産を容易に分けることはできませんし、不動産をいくらと評価するのかを巡って揉めてしまうことも多々あります。

もし遺言がなければ、遺産をどのように分けるかについては、相続人全員により遺産分割協議を行って合意に達する必要があります。仮に遺産分割協議がまとまらない場合には、家庭裁判所に遺産分割調停の申立てを行い、家庭裁判所での調停という場において話し合うことになります。家庭裁判所での調停でも話し合いがつかない場合には、家庭裁判所の審判により遺産の分割方法が決められることになり、解決までに多くの時間を要することになります。

ところが、有効な遺言が残されていれば、遺言の内容に従って遺産が分けることが可能となり、相続人の間での遺産分割協議を経る必要はなくなります。

ですので、遺産を巡る争いを防止するためにも、遺言を残すことが重要といえるでしょう。

【執筆者】
相続サポート協会
弁護士 服部毅

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