認知症になっても贈与はできる!!

効果的な贈与の方法

財産のある方や、特定の親族などに財産を渡したい場合には「贈与」が効果的です。ご存知のとおり同一受贈者ですと基礎控除は年間に110万円限度です。この範囲内で「贈与」をして財産を移転するには、時間がかかります。受贈者の数が多ければ問題ないかと思いますが、贈与者が高齢の場合は十分な対策ができないまま途中で亡くなる可能性もあります。

また受贈者が、贈与者の相続人の場合には、相続開始前3年以内の贈与財産は相続税の課税対象として持ち戻して計算しなくてはなりません。そうしますと直前3年間の贈与による効果がなくなってしまいます。ただこれは相続人に限ってのことですので、祖父(祖母)から孫への「贈与」(子は生存)の場合は相続人ではないので持ち戻されることはありません。

「贈与」は110万円の範囲内ではなくても一定の金額内であれば実質10%の贈与税率で済みます。高い相続税を払うことを考えたら少し多く贈与するのも一つの手です。例えば特例税制の場合、510万円を贈与したら{510万ー110万(基礎控除)}×15%-10万=50万円

期間や受贈者を考えて計画的に「贈与」しないといけないですね。

 

認知症になったら贈与できない?

ご存知のように「贈与」は、民法で定められた契約ごとで、贈与者が「あげる」という意思表示をして受贈者が「もらいました」という意思表示がなくてはなりません。この意思表示があってはじめて「贈与」が成立します。

したがって贈与者が受贈者に毎年「贈与」していて、途中で認知症になった場合は「贈与」が認められないということになります。高齢者の場合や財産が多額の場合は効果的に「贈与」を行おうとするとどうしても時間がかかり認知症に罹患するリスクも高くなります。

保険を使った「贈与」の方法には、3パターンあるかと思います。仮に1,100万円を贈与する場合 ①毎年110万円ずつ10回「贈与」する

②275万円ずつ4回「贈与」する

③一度に1,100万円「贈与」する。

税金は

①はゼロ

②は(275万円-110万円)×10%×4回=66万円

③は(1,100万円-110万円)×30%-90万円=207万円

圧倒的に一度に「贈与」したほうが税金が多いです。これを保険を使って「贈与」する方法があります。贈与者は自分を契約者、被保険者にして一時払い終身保険に加入します。加入してすぐに契約者を贈与者から受贈者に名義変更します。そうしますと契約者がお子さんの保険契約になります。名義変更した時点では税金は発生しません。贈与者が被保険者になれない場合は、契約者を贈与者、被保険者を受贈者にして、契約成立後契約者を受贈者に変えます。

解約や相続が発生した時点で初めて課税されます。新しい契約者は毎年保険金の減額を行っていきます。減額は部分解約ですので110万円の範囲内の解約であれば贈与税は払う必要はありません。贈与者が認知症になってもすでに契約者は受贈者であるお子さんですので問題はありません。

ただし毎年減額している間に贈与者が亡くなった場合は、その時点での解約返戻金相当額が相続財産となりますので注意して下さい。

いずれにしてもこの方法を使うことによって、お金に名前が書けて確実に渡したい人に渡せるというメリットと認知症になっても贈与できるメリットがあります。

ファイナンシャルプランナー 株式会社ライフ・アテンダント 新井明子

 

 

 

この記事を書いた専門家について

新井 明子
新井 明子保険・FP
兵庫県神戸市出身。
大学卒業後、国内、外資系生保勤務を経て2010年生命保険損害保険の乗合代理店、株式会社ライフ・アテンダントを設立。
個人、法人保険のコンサルティングセールスとして多くの相談業務に携わる。
女性のためのマネーセミナーや確定拠出年金セミナーにも定評がある。
2級ファイナンシャルプランナー、DCプランナー(企業年金総合プランナー)、2019年度MDRT成績資格会員。

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